優しさに包まれたなら

息子が高熱を出した。

 
しんどくて機嫌が悪く私から離れなかったり、熱が上がるにつれてぐったりしたり、眠りが浅く、夜中寝ぼけて何度も何度も起きて泣いたり。
 
 
私も心配と看病と家事でヘトヘトになっていた。
 
 
 
 
そんな時、色んな人の優しさが疲れた身体と心に染み渡る。
 
 
 
 
 
心配してるよと、日本から連絡をくれた友達もいた。
 
いつでも頼ってと声をかけてくれる近くの友達も。
 
「ついでだから」と、差し入れをしてくれたり、買い物を頼まれてくれたり、ご飯やパンを作って届けてくれたり。
 
 
 
 
 
それ自体も嬉しいけれど、それ以上にその気持ちがありがたく心強かった。
 
 
 
 
 
 
誰の人生にも色んなことが起こる。
 
 
歳を取ると涙もろくなるのは、自分が色んなことを経験してきて他人の気持ちに共感できるから、他人の為に泣けるんだと読んだことがある。
 
 
 
辛い経験があるから他人の事にも優しくなれる。
 
 
その時は辛く長い時間でも、その時間を誰かの為に生かせる時がきっとくる。
 
 
 
そして誰かの為に使った優しさは、必ず自分にかえってくる。
 
そう思っている。
 
 
だから、苦しい“今”はきっと大切なことを学ぶ時間。
 
 
 
 
 
 
 
いつか私の周りで、家族の看病に奔走する人がいたら。
 
いきなりインドで暮らすはめになる人がいたら。
 
言葉が通じず途方に暮れる人がいたら。
 
家のものがしょっちゅう壊れて困ってる人がいたら。
 
買い物してお釣りが欲しいというささやかな願いが叶わない人がいたら。
 
丸坊主にしたいのに家族に反対されている人がいたら。
 
 
 
 
その時はめいっぱい優しくできるように、今を味わっておこうと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
↓すべてはここから始まった。