謝らないインド人

インドに来た頃、英語がまったく分からなかったし喋れなかった。

きっとこれを読んでる人が想像する10倍は話せない私だった。

 

我ながらよく海外駐在に付いてきたなと思う。

 

そんな私でも、日本に帰る頃には少しは英語ができるようになってるだろうと、その時は思っていた。

 

こっちに来てから、英会話を習ったこともあるし、YouTubeですっごいわかりやすい解説を見つけて夜な夜な勉強してたこともある。

 

英語を習得しようと多少は努力してみたりもした。

 

でも今や、英語を学ぶことも英語で伝えようとすることもほぼ諦めて、3年前となんら変わらない英語力の私がいる。

 

変わったのは度胸だけ。

 

来た頃は、ちょっとしたことでも聞く勇気がなかった。

でも伝えないとどうしようもなかったり、インドの人は一生懸命こっちの言うこと理解しようとしてくれる人が多くて、だんだん間違ってても恥ずかしがらず話せるようになった。

 

 知ってる単語並べて接続詞はほぼ日本語。

それで伝わらなかったら日本語で言ってみる。

特に怒ってる時は日本語の方が不思議と伝わる。

でも、それでもダメなら諦める。

 

 

日本人はすぐ謝っちゃう。

でもインド人はあんまり謝らない。

絶対ウソやん?っていう言い訳とか、腹のたつ屁理屈とか言ってくる。

 

前も家に革のオーダーを受けてくれる人を呼んだら、1時間半も遅れてきて謝らなかった。

「友達呼んでるなら言ってくれよー。そしたら時間守ったのに。」

相手が私1人でも時間は守れよ!

 

 

つい先日。

ミシンの調子が悪く、自分で色々やってみたけど解決せず。

 

ミシンの箱に書いてあったサポートセンターに電話する。

前にも調子悪くて連絡したことがあって、その時は結局直ったから利用しなかったけど、出張で修理してくれるという話だった。

 

で、今回も修理に来てもらえないかなーと電話した。

 

「Hello.My sewing machine is broken.」

我ながら唐突な喋り出し。

 

どこに住んでるのかと聞かれ、答える。

 

で、何か早口で聞かれたけど分からず、もっかい「ミシン壊れた」と言ってみる。

 

すると「ヒンディー語のオペレーターがいいか?」と聞かれた。

 

「No.I'm Japanese.I can't understand Hindi.」 

 

「Oh.....」

あ。こいつはただ英語出来ひんやつなんやな。。。と彼は思ったのだろう。

 

ゆっくりした口調で英語を話してくれる。

それでも分からない私。

 

文章の中にnumberって聞こえた気がして「My content number?」って電話番号を伝えようとすると、違ったらしく困っている。

品番が知りたいのかと思って「sewing machine number?」とミシンに品番が書いてないか見てみるけど見つけられず。

そして彼が聞きたいのは品番でもなかったらしい。

 

色々言い方を変えて聞いてくれてるのは分かるけど、何を言ってるのか分からない。

相手が聞きたそうなことを答えてはみるけど、的はずれなことばっか言ってたんだろう。

 

彼が「誰かに電話してもらって」と言ったあと、「very  sorry マダム、very so sorry マダム、、、」と20回くらい言って電話を切った。

 

英語ができなさすぎて、普段謝らないインド人をめちゃめちゃ謝らせてしまった。

 

こっちがvery sorryです。

 

 

そんな話。

 

 

 

↓すべてはここから始まった。